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2017/09/26 14:19 |
闇の章


【闇の章】

 「無」が1000年の眠りについている間。
 星々は腐り果て、滅びの一途を進んでいった。
 生命は「無」に還ることなく、消滅していった。

 消滅された生命はもうどんなことをしても戻ることは無い。

 運よく1000年生き残った星々は「無」を信用することは出来なかった。
 寧ろ「何故眠ったのだ」と怒り狂うものさえ出てきた。


 それでも一人だけ「無」を信頼し、待っていたものがいた。
 片方になってしまった「闇」である。
 「闇」は他の星々に嫌われながらも「無」を待ち続けた。
 待ち続けて、待ち続けて…。内にいる神獣に傷つけられても。
 それ故に自分の能力が「覚醒」し、自分を止められなくなったとしても。
 自分を創ってくれた「無」を愛し、恋し、待った。


* * * * * *


 うーん…体が重い。
 なんでだろ。やっとあの本を読めたのに。
 体が重すぎて、どうすればいいのか分からなくて。
 いい匂いがした。
 ああ、なんだろ。この美味しそうな匂い…。
 もう今にでも「僕を食べて!」と言ってくるような匂いは…。

 ああ、もう。この欲望抑えきれない!

 「…食べ…たい」
 最後の力を振り絞って私は声を出した。
 その時、口の中にお米が入ってくる感触がした。
 もぐもぐと口を動かすと水分が多くてほんのりと温かく、尚且つ甘い。
 ああ、なんて幸せなんだろうか。
 否。もう幸せというものではない。
 まるで、天国のような。そんな感じがした。
 「美味しい…か?」
 虚ろに見えていたその人が驚くほど早く、鮮明に写りだされていく。

 その人は紛れも無く、知らない人だった。
 黄金の穂を想像してしまいそうな長い金髪に青の瞳。
 なんていうの?何かしら物語に出てくる「王子様」みたいな。
 そんな雰囲気に似ていたけど、それよりももっと繊細で。まるで温かい風がずっと吹いているような。

 「あ。目を覚ましたかい?」
 ふと扉からひょこっと顔を出したイワン。
 「イワン、何で此処に…。それにこの人は何?」
 「ネネが1週間音沙汰無かったから不安でね。それで丁度この人たちが通りかかってくれて開けて貰ったんだ」
 「カイルという。よろしく」
 カイルという知らない人は、私にすっと手を差し出してきた。


 それがカイルとの出会いになったわけで。

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2007/06/01 13:19 | Comments(0) | 未選択

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