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神聖なる文字に告ぐ

 僕は彼女に誘われた。
 それは、本当に珍しいこと。
 …雨でも降るのかな。そう思ってしまうほど珍しいこと。
 でも、だからといっても。
 またもプロポーズは絶対的にできないだろう。
 それは分かっている。でもいい。このままで。


 「で。僕に何の用なんだい?」
 「この文字を解読できそうな辞典ってある?」
 そうして出してきたのは、不思議な本に不思議な文字。
 しかも、その本、一行の不思議な文字以外は空白状態。
 心から飛び出して、なんだこりゃ と本音が出そうだ。

 「実はね…この本もらってから必死に辞典探したけれども、ないのよ」
 あんなに大量に本を仕入れているというのにか。
 ということはこの文字は、結構特殊か、
 「この世の文字じゃない可能性があるか…か」
 「やっぱり?」
 「いや、違―」
 「うーん、そうかもしれないし…でも何かあったような」
 「というか、コレはまるで音符記号のようだなぁ」
 「音符記号で文字なんてあるの?」
 「ある。デーヴァナーガリーという音符のような文字。都市の文字とも呼ばれているし神聖なる文字とも呼ばれている。現代でもどこかの世界では結構使われているみたいだけど」
 ふと考えてみれば、その辞典は今日買ったばかりだ。
 それをさっと彼女に渡した。
 「これ、良ければあげるよ」
 「え!いいの?」
 いいさ。これは彼女にプレゼントする予定であり、彼女にプロポーズする動機になると考えたのだから。

 「ありがとー。私 頑張って、これ解読する!」
 微笑んでいる彼女を見ると、もうどうでもよくなるのは何故なんだろうか…。

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2007/04/14 01:07 | Comments(0) | 未選択

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