再生の神が眠りにつく遥かにもっと昔。
それは突如に現れた。
まるで再生と創造と破壊を待つかのように。
それは人間で実験をした。
大量の人間を人間に投下させ、自身が人間になる。
そして全ての人間を―。
その実験は成功した。
神は人間と化したのだ。
これをきっかけに人間と共にあろうとする星の神たちは人間と同じようになっていったとも言える。
しかし…それの果てにあったのは、戦争という名の悲しき定めであった。
神獣戦争。
後にそう言われる戦は生命の神が眠りについて破滅していった星の数万倍もの星が消滅してくことになった。
人間と共にいたいという神と、人間を自らの奴隷か虫かの扱いをすればいいと思ってる神と。
一万以上ものの戦の果てに、辛うじて生き残った神は、強力なチカラで他の小さき世界をも支配していった。
自らの元になった世界は破壊できずとも、小さい世界なら管轄して無理だったら破壊すればいい。
そうして強大なチカラで支配した神を 始祖の神 と呼ばれるようになった。
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今は秋である。
それなのに寒い。
そうしていたら雪が降ってきた。
どんどんと冷たくなっていくそれの周囲。
それはとても熱そうな焼き芋を頬張りながら、のんびりとしていた。
「うん、美味しい」
満足しているそれに溜息をつきながら「おい…もういいだろ…」とイラつかせている人の姿があった。
「んん? なにが?」
「何がじゃない。 むやみやたらに周囲に迷惑をかけるな」
「いやいや、焼き芋美味しくて頬張ってるだけだよ。 というか最近おかしいんだよ」
「おかしいのはいつもだろう」
「いやいやいや! 違うんだって。 もうフレアがいないとチカラを抑えられないというかね!」
「だったら連れてこればいい」
「本人眠っちゃってるしさ。 仕方ないからこのまま散歩気分でカイルに会いに行こうよ。 最近どっちも忙しくて会ってないから顔が見たいんだ」
楽しみだなぁ、とマイペースに焼き芋を頬張るそれを見て、それはとても深いため息をついた。